私たちが仕事を辞めたいと伝えたとき、会社側はいろいろな理由で私たちを引き止めてきます。
繁忙期、人手不足、引継ぎ、責任感などなど…この中でも最もドキッとするのが損害賠償です。

こっちは損害など与えた覚えはないのに、何か理由を見つけて脅してくるわけです。
明らかなパワハラで私たちもアホらしいとは思いつつ、(もし本当に損害賠償請求や罰金を請求されたら…)と少し不安になってしまって、ズルズルと退職を引き伸ばしてしまう…これはよくあることです。

 

そこで今回、実際に退職すると伝えた結果「損害賠償請求する」と脅された方に、その後どうなったのかアンケートを取ってみました。
かれらの話を聞くと、退職する時の脅迫がただの「脅し」なのかどうか、よくわかると思います。

そしてその後に

  • 身に覚えのない損害賠償請求は違法なのかどうか
  • 損害賠償請求すると脅されたときに、どう対処すればいいのか

についてご紹介しますね。

いま退職トラブル真っ最中の方の参考になれば幸いです。

退職するときに損害賠償を請求すると脅された体験談…その後どうなった?

※枠内をスクロールしていただくと読めます。

私は大学を卒業してからすぐに地元の病院で薬剤師として働き始めました。
とてもやりがいのある仕事で、職場の人間関係も良かったので、働きやすい職場だと感じました。

しかし、就職してから2年目になると上司の方から、仕事を押し付けられるようになり、毎日のように残業をするようになりました。
ひどい時には自宅に帰る暇もないぐらいでした。

 

そのため、上司に仕事を減らしてもらうようにお願いしましたが、仕事が減ることはありませんでした。
そんな時に、体調を崩して、病院を受診した時に、過労による体調不良と診断されました。

友人や家族から仕事を辞めた方が良いと提案されたので、上司に退職届を持って行きました。
上司は「今辞められたら困るから、あと1ヶ月は頑張って欲しい」と言われました。

 

私自身まだ仕事の引継ぎをしていなかったので、1ヶ月は仕事を続けました。
引継ぎが全て終了し、再度上司の所に退職届を持っていくと、上司から「まだ辞めるつもりなのか?損害賠償払ってもらうぞ」と脅されました。

私は怖くなって、弁護士をしている友人に相談しました。
すると、友人から「これで損害賠償は請求できないから気にしないでいいよ」と言われました。

弁護士の友人に言われたことを上司に伝えると、上司は退職届を受理してくれました。
弁護士の友人のおかげで、辞めることができました。

 

大学生の時、都内にあるバーでアルバイトとして働いていました。
応募したきっかけは、バイト求人サイトに載っていて、時給が高かったからです。

しかし、面接を受けてみると、求人票に出ている時給は3ヶ月で終わり、そのあとは低い時給になると言われました。
そこらへんから不信感はあったのですが、結果を出せば、他のボーナスが出るので渋々納得して、そこに雇用されました。

店としては週末になると朝まで混むので、なかなか大変でしたが、働きがいのある職場ではありました。

 

さて、退職するきっかけですが、とある時から給料の支払いが遅れたり、給料の計算が雑になることがありました。
個人経営なので、オーナーも忙しいだろうなとは思ったのですが、伺ってみると逆ギレをされました。

「こっちはしっかり計算しているし、もっと結果を出してからそういうことは聞け!」という感じです。
そして、そこからも改善するような様子もなかったので、今月で辞めると、ある時オーナーに告げました。

 

すると、オーナーは「辞めるなら3ヶ月前から言わないと罰金だ」という、面接時にはないことを発言しました。
店が多少人手不足だったので、辞められては困るので、とっさに言ったのだと思います。

私はオーナーの人間性をわかっていたので、「どうぞ」と言って、その場を離れました。
当然、オーナーの言ったことは嘘で、辞めるまでも、辞めたあとも、罰金のことはそれ以上言及されませんでした。

 

手続きも簡素で、机やロッカーにポンと書類が置いてあり、それを書いて提出しただけでした。
以上が私の体験談です。

面接時などに配られる書類には、よく目を通して雇用された方がいいと思います。
また、仮に法外なことが書いてあり、それにサインしたとしても、それを担保する法律などありません。

なので、毅然とした態度で、周りに相談しながら、事に対応してください。

 

私がスポーツトレーナーとして正社員で働いていた時の事でした。
自分と馬が合わない上司がいたのですが、その上司のことをどうしても許せなくなってしまい昨日仕事を辞めようと決意をしたことがありました。

一生懸命仕事をしている自分に対し、特に何もしていない上司が自分のことをとやかく言い、自分に対して悪口や罵倒を言うことをどうしても許しがたいと思ったからです。

退職届を書かずに退職をすることを1番上に話したのですが、基本的には退職する3ヶ月前に退職届を提出して辞めなければならない決まりがあると言うことで、退職届を出さなかったり、規定として書かれているように3ヶ月より短い期間で辞めてしまう場合には退職金はなく、規約に違反をしていると言うことで損害賠償を求められると言うことでした。

 

しかしながら一般的にはそのような規定がなく、あくまで会社が勝手に決めたことであると言うことがありましたので、弁護士を立てて仕事を退職するための話し合いを行いました。
弁護士を断ったことによって簡単に退職をすることができました。

あまり良い呼び方では無いかもしれませんが、自分はストレスを抱えていた状態で仕事を退職することになったのですからそのぐらいして当然ではないかと思います。
もし仕事を辞めたいと思った場合には会社の規約や規定に反さないように辞める方が好ましいと言うことと、どうしてもトラブルになりそうな場合には弁護士を立てて相談をすることが良いと思います。

 

私は大学を卒業してからすぐに地元の病院で就職しました。
第一希望の病院は落ちたため、第二希望だった病院へ就職しました。

仕事はとても楽しくて、やりがいはありましたが、仕事量がとても多く、毎日のように残業しなければいけませんでした。
自宅に帰るのが夜中になることも多々あり、精神的にも体力的にも疲弊していました。

 

就職してから2年が経とうとしている時に、過労で倒れました。
診察をしてくれた医師からも、これ以上の過労は体に良くないと言われたので、上司に仕事量を減らしてくれるように相談にいきました。

しかし、上司は聞き入れてくれませんでした。
両親や友人からも仕事を辞めた方が良いとアドバイスされたため、上司に退職届を持って、退職したい旨を伝えました。

 

しかし、上司に「みんな忙しい状況で辞められたら困る。今辞めるなら損害賠償を払ってもらう。」と言われました。
私は怖くなって、仕事を辞めることができませんでした。

それから半年ほどは働き続けましたが、再度過労で倒れたことがきっかけとなって、弁護士事務所に相談に行きました。
すると、弁護士の人から「退職は労働者の権利だから、それで損害賠償は請求できないよ。」と言われたので、このことを上司に報告しました。

すると、すんなりと退職届を受け取ってくれて、無事に仕事を退職することができました。
こんなことなら最初から弁護士事務所に行けばよかったと思いました。

 

私は、転職に失敗し一時期派遣で働いていました。
その時のお話をさせていただきます。

退職しようとしたきっかけは、ある工場の耐震補強作業に派遣で行きました。
リーダーは、第一印象からこいつは、気を付けないといけないというほど、精神的におかしな人が私の上司になりました。

 

穏便にということで、全く相手の意見に反抗せず淡々としようと決心していたのですが、相手の攻撃はやまず、派遣担当者にたびたび苦情を申し出を行いました。
そしたら派遣担当者は、「そんなもんでしょ」と相手にされませんでした。

あまりに人をないがしろにした態度に、今月いっぱいでやめますと申し出をしました。
派遣法では、契約違反は、損害対象になるとのことで、裁判に訴えるといってきました。

 

しかし今までのいきさつを知っていながら放置したのは、派遣営業者の怠慢ではないかと申しましたところ、あなたは精神的に弱いところがあるといってきました。
そして一時間ほどそのやり取りをしていたところ、だったらやめていいすよとまるで、ヤンキー口調に変わりその場で退職届を出しました。

やはり景気がよくなり派遣も厳しいのですかね。
なかなか退職させないことは、今回が初めてでしたのでいい勉強になりました。

やはり派遣もよく選ばなければいけないと実感しました。

 

当時、IT系の下請け会社に正社員として勤めていました。
こういった下請けの会社で働かれたことがあれば想像がつくと思いますが、「正社員」という雇用形態でしたが、実際は常駐先に派遣されて働いていました。

ただし、短い場合は数ヶ月で派遣先が変わり、給料や業務内容も変わらないことに嫌気が差し、将来のキャリアアップのために転職しました。
そして退職を申し出た際に「あと2ヶ月は常駐先で業務する」という内容で自社営業が常駐先と契約していたらしく、話し合いをさせてほしいと自社営業から連絡がありました。

 

それ自体は合意しましたが、その場所が自社ビルの部屋内ではなくファーストフード店の2階で周囲に一般のお客さんも多いテーブルに座らされ、しかも業務後に集合させられました。
話し合いという名目で自社の技術部長やキャリア担当者が同席し、私も含めると4人いましたが巧く説得しようという目的がみえみえでした。

同席していたキャリア担当者に「このまま退職すると労働基準法に違反してしまうから、会社から損害賠償を請求する可能性が高い。」と脅されました。
私は「正社員(無期雇用)であれば退職の申し出をした時点で、会社は断れないはず」と強く主張しまったく譲らなかったので、キャリア担当者も諦めてしまい、離職票の申請用紙などを記入させてもらえました。

正直、退職して1ヶ月ほどはびくびくしていましたが、当時の会社から法的な連絡は一切ありませんでした。

 

20代の頃、銀座でホステスをしていました。
とても小さなお店でママの他は男性の店長とホステスさんが5人だけ。

初めてのホステスの仕事だったため、あまり気を張らなくても良さそうと思い勤めることにしました。
未経験だったため、毎日のドレスも全く持っていなかったのですが、ママが自宅から何着か持ってきてくれて「自由に着ていいわよ」というので遠慮なく使わせてもらうことにしました。

 

そして勤めてから1年くらいがたった頃、昼間の仕事で出会った人とお付き合いをすることになり、その彼にホステスのバイトは辞めてほしいと言われたため、その日の夜お店に出勤してすぐ退店したい旨を相談しました。
そしたら退店に関してはすぐに認めてくれ、1週間後の月末で辞めることとなったのです。

しかし、最後の出勤の日にママからドレスのクリーニング代と、醤油が一滴垂れてしまっててもう着れないからとそのドレスの弁償として合計30万円くらいの支払いを請求されました。
そんな大金を払うこともできず、彼にもどうしたらいいか相談したのですが、お互い若くて知識もなく2人でオロオロするばかり。

そんな状況で1週間くらいたった頃、お店でずっと可愛がってくれてたお客様からお店を辞めた後どうしているのかという電話がきました。
そこで、そのお客様に相談すると直接お客様からママに話してくれ弁償の件は払わなくて大丈夫になりました。

そして、私にも「1年もの間ドレスを借りたのだからお礼をした方がいい」と教えてくださり、ママの好きだったブランドの名刺入れをプレゼントして、円満に退店することができました。

 

中古マンションの販売を手掛ける不動産会社で正社員として働いていましたが、深夜に及ぶ残業が毎日のように続いたので辞めたいと思うようになりました。
そこで支店長に退職届を手渡しながら会社を辞めたいという強い意思を伝えると、急に表情を変えて私を会議室に連れ込みました。

会議室に入ると支店長は退職届の文章を大きな声で読んだ後で、辞めないように私を強く説得し始めました。
それでも自分の考えは変わらなかったので、改めて退職届に記載されている日に会社を辞めることを伝えました。

 

すると支店長は、会社を辞める場合には100万円を支払う必要があると言い始めました。
100万円という数字は、次の人材が見つかるまでの間に必要な、求人広告の掲載費用だったのです。

しかしそのようなお金の請求は法律違反だと知っていたので、そのことを支店長に伝えたうえで会議室を退出しました。
翌日に再び支店長は私を呼び出して説得工作を始めましたが、私は万が一の場合には弁護士や労働基準監督署などに相談する旨を伝えました。

 

すると支店長は諦めた表情になり、再度用意した退職届を受理してくれました。
それ以後は上司と会話をすることは一切なく、私は退職予定日まで粛々と与えられた仕事を続けました。

 

いかがでしょうか?

法的な問題は後で触れるとして、上の体験談をまとめてみると

  • 「損害賠償請求だ!」というのは辞めさせないための脅しで、本気で請求するつもりはない
  • それを証拠に、弁護士や第三者を挟むと、これまでが嘘のように折れる
  • また損害賠償の脅しを無視して退職しても、その後何も言ってこないことが多い
  • そもそも損害賠償請求をする企業自体がブラックであることが多い

ことがわかりますよね。

要は「こう言えば、びびってて辞めないだろう」と思って、私たちを脅している事が多いわけです。
ただし、まだ安心できない方もいるかもしれないので、今度は法的な面を見ていきましょう。

実際、退職する時に本当に損害賠償請求されることってあるの?

結論から言うと、もちろん実際に会社に損害が出ている場合は損害賠償請求は可能です。
しかし「あなたが辞めると、繁忙期or引継ぎが間に合わないから損害が出る」などというのは、これは会社側の運営責任で損害賠償請求が認められる事はほとんどないそうです(参考:退職による損害賠償請求)。

要は「退職を理由に損害賠償請求する」というのは、ほとんど無理なんですよね。
損害賠償請求が認められる例というのは退職関係なく損害が出ている場合で、「退職する」と伝えたとたんに損害賠償請求してくるのはおかしい、ということです。

ちなみに無断退職も損害賠償請求のリスクは低いですが、逆に解雇等のリスクが高くなります(詳しくはこちら

 

また稀に「契約書に書いてあるから罰金だ!」と言うケースがありますよね。
就業規則や契約書に「〇日前に退職を伝えないと罰金・違約金」と書かれているやつです。

これに関しても、いくら契約書に書かれている事でも、その契約書の内容が労働基準法違反な場合は、その決まりも無効になります(参考:退職の罰金について質問です。
労働基準法>会社の就業規則ですから、私たちは罰金を払うことなく会社を辞められますよ。

「今会社を辞めるなら、給料は払わない!」というのは?

また損害賠償請求をする会社にありがちな給料の未払いですが、当たり前ですがこれも違法です(参考:退職後の給与未払いについて)。
何なら、たとえバックレであっても私たちは働いた分の給料はきっちりもらう権利があるくらいですからね。

また賃金未払いの他にありがちなのが、「○○の代金を給料から天引きしておいた。だから給料は払えない」というのです。
要は損害賠償請求なんて面倒なことをせず、直接私たちの給与から天引きするわけですが、これも違法となってます。

なおひどい会社になると「退職前に有給を消化はできない。するなら罰金」なんていう会社もありますが、こちらも違法です(参考:退職につき有給消化をしたいのですが

 

新卒で新入社員で入った方や正社員を目指している試用期間中の方は、立場や経験上、会社に言いくるめられやすいで注意してください。
また、うつ病や適応障害の方も、パワハラ等を受けやすいので注意をしてください。

もしそれでも、一人で損害賠償の脅しを押し切って退職するのが不安だったら…

この記事では

  • 「損害賠償請求する!」と言われても、ほとんどはただの「脅し」であること
  • 間に人が入ると、途端に会社が何も言わなくなること

を紹介しました。

もしこの記事を読んで自信がついたなら、堂々とそのまま退職しちゃいましょう。
でも中には、誰かに相談したい方も多いと思います。

 

そんな時はぜひ、私たちと会社の間に入ってくれる「退職代行サービス」というものを使ってみてください。
退職代行サービスは私たちの代わりに退職を伝えてくれるサービスですが、それ以外にも「もし裁判になった時に、会社側の無理な主張や暴言を連絡記録として提供できる」という側面もあります。

すると会社側も自分たちがしてきたことを外にバラされるのは困ると思って、「面倒なことにしたくないし、それならもう罰金とかいいから、何も言わず早く辞めてくれ」となることがほとんどです。
その結果、これまで紹介した体験談のように、嘘のようにアッサリ会社を退職することができると思いますよ。

 

ちなみに退職代行サービスは以下のような特徴もあります。

  • 今この瞬間から、一言も会社の人と話さず退職できる
  • これまで退職を拒否されたことがない
  • 訴えられたこともない
  • 最短で即日退職可能
  • ほとんどの場合は有給も給料ももらえる
  • 退職後の手続きのサポートもしてもらえる

詳しくは、以下の記事を読んでみてください。

⇒退職代行サービスの仕組み、流れ、値段、法的な問題などについて