会社から逃げる最終手段が、無断退職…いわゆる「バックレ」とか「ブッチ」というものです。
会社に何も言わず、突然職場へ行かなくなることですよね。
飛ぶことが良い事か悪い事かというと、そりゃもちろん良くはないです。
ただ一人の労働者として話を聞いてみると、ある意味”逃げるが勝ち”のような職場もあるのが実際です。
実際に逃げた経験のある人の話を聞いてみても
- どれだけ話をしても辞めさせてもらえないから無断退職するしかないと思った
- 上司がパワハラ気味で怖く、逃げられないと思った
- ブラック企業で仕事がきつく、続けるのは無理だと思った
- ストレスに疲れうつ病になったが、職場が理解がなく逃げるように辞めるしかないと思った
- 無断欠勤中で職場に行きづらいから、そのまま辞めようと思った
- 職場でトラブルがあり逃げたいと思った
などなど…一日でも会社に行きたくない気持ちもわかります。
ただし実際問題として、無断退職や無断欠勤には様々な問題があります。
「だからバックレはダメ」とは言いませんが、あらかじめ知っておいて損はないです。
なにせ無断退職は後で取り返しのつかないことになることも多いんですよ。
というわけでこの記事では、仕事をバックレたい方向けに
- 無断退職をした時のリスクについて
- バックレた後にすべきこと
についてご紹介します。
目次
※バックレ代行サービスのようなもの、知ってますか?
バックレについて話す前に、もしかすると今限界の状態の人がいるかもしれないので先に紹介しておきます。
世の中には退職代行サービスというものがあり、私たちと会社の間に入って退職することを伝えてくれます。
私たちは会社の人間と一言も話さず即日退職できますし、「退職の意思を伝えている=無断退職ではなくなる」ため、このあと話すバックレのリスクが、かな~り小さくなります。
それに本来退職というのは労働者の権利なため、退職代行サービスを使った退職の成功率はほぼ100%で、会社側から訴えられた経験も0です。
「今の私の状況でも退職できるのかなぁ…」などの相談は、匿名で24時間無料相談できます。
退職も早い人だと相談して数十分でも可能なので、もし興味があれば以下の記事も読んでみてください。
⇒退職代行サービスの仕組み、値段、法的な問題、体験談はこちら
それでは本題に戻ります。
正社員、新入社員がバックレるとどうなる?
正社員と一部の無期雇用派遣社員で働いている人は、大抵は「期間の定めのない雇用契約」を結んでいると思われます。
この「期間の定めのない雇用契約」を結んでいる方は任意の時期に辞めることは可能なのですが、好きなタイミングでいつでも(リスクなく)辞められるわけではありません。
ここに民法627条という規定があります。
この民法627条は「2週間以内に退職して損害等が出た場合は、会社側は損害賠償請求などをする権利がある」というものです。
つまり正社員やアルバイト、パート、無期限雇用の派遣社員の方がバックレやブッチをすると、会社側から損害賠償請求をされるケースがあるんです。
詳しくは、またすぐ後で説明します。
契約社員、派遣社員、パート、アルバイトがブッチするとどうなる?
一方、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど期間の定めのある雇用契約(有期雇用契約)を結んでいる場合はどうでしょう?
この契約は「○年○月○日までの期間を定めて雇用を契約する」となっていて、本来であれば期間内は会社側からも労働者側からも、雇用契約の解除(解雇や退職など)ができません。
そこをバックレたりブッチしてしまうわけですから、やはり損害賠償請求をされる可能性はあります。
ただし契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど期間の定めのある雇用契約の場合、「心身の異常や家族の看護など、やむを得ない状況の場合は契約期間中でも途中解約ができる」こととなっています。
なのでリスクとリターンを考えると、一言でもいいので「体の調子が悪いので辞めます」と退職の手紙いでも送っておいたほうが無難です。
訴えられる可能性がグーンと下がりますから。
でも実際に損害賠償請求をされる可能性って高いの?
以上、正社員とその他の雇用形態の損害賠償請求の可能性について話しました。
民法上のルールでは、無断退職の結果、実際に損害が発生し会社がその損害を防ごうとしたものの実際に損害が出てしまった場合には、私たち労働者が損害を賠償しなければなりません。
ただし「損害の発生額の計算が難しい」「司法手続きが面倒」「回収金が少額な場合がほとんど」という点で、実際に損害賠償請求されるケースはほとんどありません。
しかし無断退職やブッチのリスクは、損害賠償だけではありません。
損害賠償だけじゃない!無断欠勤は懲役解雇の恐れも
無断退職のリスクは、損害賠償だけではありません。
バックレをすると退職が認められるまでの期間は無断欠勤扱いになりますから、会社の規定によっては懲戒解雇扱いとなる可能性もあります。
まぁ無断退職をして懲戒解雇を食らったとしても、履歴書には「都合により退職」と書いておけば特に突っ込まれることは無いんですけどね。
ただ同業他社に再就職を考えている場合は、悪い評判が業界内で広がる可能性はあります。
他にも、こんな嫌がらせを退職後にされるかも…
他にもバックレた結果、
- 給料が振り込まれない
- 転職や退職の手続きに必要な雇用保険被保険者証・社会保険資格喪失証明書・離職票・年金手帳などを送ってもらえない
- あなたの家に来たり、親に連絡したりする
などの嫌がらせをされる可能性があります。
私のサイトにもたびたび寄せられるのですが、こういった嫌がらせの体験が一番多いです。
↓
アルバイト2件は、給料の支払いがされなく、二年間勤め上げ、パワハラされ続けてバックれた所はきちんと話し合い、手渡しで給料を頂きました。
辞める理由に、税金の関係もあったので店側が配慮してくださっていたそうです。
もう一件は、すぐに辞めたので、話し合う事もなくそのまま現在も支払われておらずどうなっているかは分かりません。
あと、どこの職場もすごく電話してきます。困るのは分かりますが、やはり電話に出る事はできません。
正社員をバックれた際は何度か家に来てくださってたのを知ってるので、態々引っ越したほどです。
会いたくなかったので… 現在もアルバイト一件バックれてますが、どうなる事やら…
洗濯屋で会社員をしていました。 私はお腹が急に痛くなってしまい下してしまったため連絡をせずにとりあえずいちど家に帰って薬を飲もうと思いそのまま家に帰ったのですが、その後戻りませんでした。
私の場合はなら仕方がないと許されましたが知り合いで無断欠勤をしたものは給料が振り込まれないと言うようなことがあったそうです。
他にもその人の家に電話をかけて聞いたり親に連絡をされた人もいます。
無断欠勤はしない方が良いのではないでしょうか。
実家に電話をかけられたり、万が一のことを考えて心配していると言うこともあるのかもしれませんが、そのようなことになってしまってはたくさんの人に迷惑をかけてしまいます。やめた方が良いでしょう。
諸事情あり、モラル的に全くよくなかったですが、勢いで無断退職をしてしまいました。
やはり第一に電話がすごかったです。いつ来るんだ!?の連呼でした。
一週間程度たった後、やめる意思を伝えると今度は今までのミスして会社へ損害を与えた分をどうやって補填するんだ?という、脅迫めいた電話がよくかかってきました。
その後、最終的には適当な理由をつけられて最終月分の給料からわけのわからない理由で色々給料を天引きされて、ほとんど給料がなかったことを覚えています。
懲戒解雇にはなっていなかったと思います。失業保険関係の書類は欲しかったですが、2か月くらい待たされてから自宅に郵送されてきました。
無断退職を行おうとした結果いつまで経っても退職扱いとはならず転勤が出来ない状態に陥りました。
私としては二度と会社に出たくなかったのですが、会社側は電話やメール、郵送等での退職手続きを拒み直接面談以外認めなかったため半年以上何も出来ずに家にこもる日々が続きました。
その間、私は鬱と診断してもらい休業手当金のみで暮らしていました。ボーナスは当然なく会社からの連絡は週に何度か電話が掛かってきて「何とか会社に来れないか?」の連絡だけでした。
無断欠勤の間の損害賠償請求等は何もありませんでした。
最終的には私の方がしびれを切らし転職に必要な書類を取りに会社に行きました。
相手側も何も悪びれる様子もなく事務的に退職手続きが行われただけだったのでこの半年間は本当に無駄な時間だと思います。
ただし何度も言うように、給料はたとえ無断退職だったとしても私たちは働いた分はもらう権利があります。
また仮に賠償金があったとしても給料から天引きしたりするのも違法です。
ただ相手側は私たちが何もできないと思って、嫌がらせとして「最後に働いた月の給料は手渡しだ」なんて言う事も多いですね。
もちろん他にも、退職後に必要な書類も会社は速やかに用意しないといけませんし、会社の人間が家に来る権利も一切ありません(原則として、私的領域まで踏み込むことは許されていません)。
この辺りは会社と私たちの間に入ってくれる退職代行サービスが本当に便利で、退職代行業者が私たちに代わって会社に
- 「退職したい事」
- 「家に来たり親に連絡しないでほしい事」
- 「給料を振り込んで欲しい事」
- 「退職の手続きに必要な書類は何かについて」
- 「返却物はどうすればいいか」
などを聞いたり伝えたりしてくれます(退職代行サービスについては詳しくはこちら)。
中には間に入って交渉してくれる、労働組合が運営する退職代行サービスもあって、こういうところにお願いすれば、私たちは何もおびえる事なく当然の権利を得ることが出来ますよ。
ブラックな点や違法行為を第三者にバラされる可能性があるという事で、どれだけ乱暴だった会社も「面倒なことに巻き込まれたくない」ということで、面白いようにスン…と黙りますから(笑)
まとめ&無断退職した後の手続きについて
この記事をまとめると
- バックレは雇用形態問わず、損害賠償請求をされる可能性がある(ただし稀)
- 退職後の嫌がらせを受ける可能性がある
- 解雇扱いになる可能性もある
- ただしバックレと「嫌がらせ」は別問題なので、給料をもらう権利はある
となります。
個人的には一方的でもいいので、退職届を郵送しておいたほうが良いと思います。
あとバックレ後に一番面倒なのが、退職後にしなければいけない各手続きだと思います。
転職するために会社から送ってもらわないといけない書類がありますし、手続きについても会社の人間には聞けませんからね。
ただし転職の手続き自体は通常の退職後と変わらないので、詳しくない場合は以下の記事も参考にしてください。